北風は止んでも雨は止みません。
車で林道を走っていると、少しだけ開けた窓から甘い香りが漂ってきます。
タイワンオガタマの花が咲き始めているからです。
純白でとても美しい花です。
葉はどこかで見たことあるはずです。
1円玉ひっくり返して下さい。
あのデザインはオガタマノキでタイワンオガタマはその変種です。
天に向かって20m近くにまで伸びるオガタマノキは、神霊を集める木として崇められてきました。
すなわち招霊の木。
関東以西の神社では各地で大木が残されています。
一方、八重山のタイワンオガタマは建築材として重宝されてきました。
硬く粘りがあるので鍬や鉈の柄、馬の顔にはめて制御する道具、オモガイにも使われました。
なので、現在では大木と呼べるような木は、よほど山奥にでも行かなければ見つかりません。